初タイトルを獲得した糸谷哲郎新竜王とは

将棋の第27期竜王戦七番勝負第5局が12月3日から、金沢市「湯涌温泉 かなや 青巒荘」で指され、4日、挑戦者の先手・糸谷哲郎七段が森内俊之竜王を161手で破り、対戦成績を4勝1敗として初タイトルとなる竜王を獲得しました。

糸谷哲郎新竜王はタイトル初挑戦で竜王を獲得し、規定により12月4日付で八段に昇段しました。9月8日には竜王戦挑戦を決めて七段に昇段したばかりでした。

糸谷哲郎新竜王は竜王戦挑戦者決定三番勝負で、羽生善治名人(王位・王座・棋聖)を2勝1敗で降しました。

羽生善治名人、森内俊之竜王という羽生世代の二強を降しての竜王奪取ということで、価値あるタイトル獲得です。

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糸谷哲郎竜王とは

糸谷哲郎竜王の名前の読みがなは「いとだに てつろう」で、関西所属の棋士です。

2006年5月1日のプロデビュー戦では橋本崇載八段に勝ち、「怪物だ!」と叫ばれたことから、「怪物くん」というニックネームが付けられました。また、苗字から「ダニー」と呼ばれることもあります。

森信雄七段門下で、兄弟子には村山聖九段、山崎隆之八段、片上大輔六段らがいます。

大阪大学大学院に在籍

プロ入り後の2007年に大阪大学文学部に進学しました。現役プロ棋士が日本の国立大学に進学したのは初めてのことでした。(同門の片上大輔六段は東京大学在学中にプロになりましたが、プロ入り後の国立大学進学は初でした。)

その後、大阪大学大学院に進学し、現在も大阪大学大学院に在籍して(10月から休学中)哲学を専攻しています。

糸谷哲郎竜王が竜王を獲得したことで、大阪大学のホームページに大阪大学・平野俊夫総長からのコメントが掲載されています。

「将棋界は斜陽産業」

2006年、奨励会三段として第37回新人王戦に出場し、新人王戦の途中でプロとなる四段に昇段して優勝しました。このような事例は森内俊之前竜王以来2人目でした。

新人王優勝の授賞式のスピーチで「将棋界は斜陽産業」と発言し、自分たちの世代で立て直したい旨のコメントをしました。

現在は関西の若手将棋棋士で「西遊棋」を結成し、将棋イベント等、将棋の普及活動に積極的に取り組んでいます。

糸谷哲郎竜王アラカルト

・奨励会時代に取った駒を相手の駒台に置いてしまい、反則負け
・プロ入り後にも相手の駒を取った際に自分の駒を違うマス目に置いてしまい、反則負け
・NHK杯将棋トーナメントで2年連続準優勝したが、優勝したのはいずれも羽生善治名人
・大のスイーツ好き
・香川愛生女流王将と仲が良いらしい。香川愛生女流王将は女流王将戦の真っ最中にも関わらず、竜王戦第1局が行われたハワイまで応援に駆け付けた。


関西所属の若手棋士には、豊島将之七段、稲葉陽七段、大石直嗣六段、澤田真吾六段、菅井竜也五段、船江恒平五段など有望な棋士が揃っています。関西所属の棋士がタイトルを獲得したことで、関西将棋界がますます盛り上がることでしょう。

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