将棋の現役最年長棋士で長年トップ棋士として活躍してきた内藤國雄九段が3月末をめどに引退する意向であることが明らかになりました。(追記: 2015年3月31日付で引退となりました。)通算成績は1132勝1000敗で、通算勝ち数は歴代6位、通算負け数は歴代3位です。
目次
内藤國雄九段の主な記録
タイトル戦登場は13回でタイトル獲得は4期(棋聖2期、王位2期)
年 | タイトル | 勝敗 | 対戦相手 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1969年 | 王将 | ●●●●* | 大山康晴 | タイトル戦初登場 |
1969年後期 | 棋聖 | ●○○○ | 中原誠 | タイトル初獲得 |
1970年前期 | 棋聖 | ●●○● | 大山康晴 | 防衛失敗 |
1972年前期 | 棋聖 | ●●○● | 中原誠 | 奪取ならず |
1972年 | 王位 | ○●○○○ | 大山康晴 | タイトル奪取 |
1973年 | 王位 | ●●●● | 中原誠 | 防衛失敗 |
1973年後期 | 棋聖 | ●●○○○ | 米長邦雄 | タイトル奪取 |
1974年前期 | 棋聖 | ○●●● | 大山康晴 | 防衛失敗 |
1975年 | 王位 | ●○●○●● | 中原誠 | 奪取ならず |
1976年 | 棋王 | 三者リーグ | 第1期獲得ならず | |
1982年 | 王位 | ○●●○○○ | 中原誠 | タイトル奪取 |
1983年 | 王位 | ●○●●○● | 高橋道雄 | 防衛失敗 |
1983年 | 王座 | ●○● | 中原誠 | タイトル戦昇格後防衛失敗 |
一般棋戦優勝は13回
通算敗戦数は歴代3位
加藤一二三九段、有吉道夫九段に次ぎ、3人目の1000敗を達成しました。
1位:加藤一二三九段 1132敗
2位:有吉道夫九段 1002敗
3位:内藤國雄九段 1000敗
竜王戦1組通算3期、順位戦A級通算17期
最年長現役棋士の記録更新が目前だった
最年長現役棋士の記録は、丸田祐三九段が持つ77歳0か月ですが、75歳2か月の内藤國雄九段にとっては目前でした。内藤國雄九段は現在C級2組ですが、降級点がないため少なくとも2017年3月までは現役を継続できる状態でした。
演歌「おゆき」は100万枚を超える大ヒット
第1回「升田幸三賞」を受賞
将棋大賞で1994年度から新設された「升田幸三賞」に、内藤國雄九段の「横歩取り3三角戦法」が選ばれました。「空中戦法」と呼ばれ、後に大流行し、定番戦法となった「横歩取り8五飛」にも大きな影響を与えました。
孫弟子の吉田正和四段(当時)に敗戦
内藤國雄九段の弟子には、神吉宏充七段と三枚堂達也四段がいます。神吉宏充七段の弟子に吉田正和五段がおり、吉田正和五段は内藤國雄九段の孫弟子になります。内藤國雄九段は孫弟子の吉田正和四段(当時)と2012年4月17日の公式戦で対局し敗れました。