『そこで何を考えるか?』と兒玉遥

『そこで何を考えるか?』が「AKB48 リクエストアワー セットリストベスト200 2014」で第28位にランクインしました。『そこで何を考えるか?』は、2013年9月4日に発売されたHKT48の2ndシングル「メロンジュース」のカップリング曲であり、シングルの表題曲ではありません。また、「メロンジュース」のType-A, B, Cの全てに収録されていますが、ミュージック・ビデオは存在しません。「メロンジュース」が発売された後も、歌唱メンバーやセンターが誰であるのかといった情報が一切公開されませんでした。

『そこで何を考えるか?』が初披露されたのは、「メロンジュース」が発売されてから1か月以上経った2013年10月12日のHKT48の関東全国握手会でのことでした。『そこで何を考えるか?』のメンバーは、HKT48の1期生である、穴井千尋、安陪恭加、今田美奈、植木南央、兒玉遥、下野由貴、中西智代梨、深川舞子、松岡菜摘、宮脇咲良、村重杏奈、本村碧唯、森保まどか、若田部遥で、HKT48の1期生だけの曲です(敬称略)。AKB48から移籍した指原莉乃さんと多田愛佳さんはメンバーには入っていません。

『そこで何を考えるか?』はHKT48の1期生のためのオリジナル曲ですが、HKT48の1期生である兒玉遥さんをストレートに連想する歌詞となっています。『そこで何を考えるか?』の歌詞を見ると、HKT48ファンであれば兒玉遥さんに向けられた楽曲であることがすぐにわかります。『そこで何を考えるか?』は、兒玉遥さんの思いがそのまま歌詞になったような楽曲で、兒玉遥さんへ向けられたメッセージ・ソングです。

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HKT48・兒玉遥とは

「はるっぴ」が愛称の兒玉遥さんはHKT48の1期生で、2011年10月にHKT48が初めてお披露目をされた当初からHKT48のセンターとして活動してきました。2012年3月にチームHが結成されましたが、兒玉遥さんは当初と変わらずセンターを務め、HKT48の中心として活動してきました。2012年5月発売のAKB48の26thシングル「真夏のSounds good !」では、HKT48メンバーでただ一人選抜メンバーに抜擢されました。今後も兒玉遥さんがHKT48の不動のセンターとして活動するだろうと誰もが思っていたときに転機が訪れました。

2012年6月にHKT48の2期生オーディションの合格者が発表されましたが、そのなかにプロデューサーである秋元康氏が逸材と絶賛した、12歳の田島芽瑠さんがいました。2012年12月発売のAKB48の29thシングル「永遠プレッシャー」に、HKT48初のオリジナル楽曲である「初恋バタフライ」がカップリング曲として収録されましたが、センターは兒玉遥さんではなく、彗星のように現れた2期研究生の田島芽瑠さんでした。そしてHKT48のデビュー曲となる「スキ!スキ!スキップ!」が2013年3月に発売されましたが、センターは兒玉遥さんではなく田島芽瑠さんでした。

HKT48初お披露目からセンターとして頑張ってきた兒玉遥さんは、デビュー・シングルではセンターの座を明け渡すことになってしまいました。兒玉遥さんは、センターから外れた苦悩をGoogle+などでたびたび打ち明けていました。

『そこで何を考えるか?』と兒玉遥

『そこで何を考えるか?』の歌詞を引用しながら、歌詞の内容について触れたいと思います。

『そこで何を考えるか?』の出だしは次のようになっています。

一番 先頭を
走ってるつもりだった
前に誰の姿もなかった
ある時 コーチから
「君は1位じゃない」と・・・
道の先 指差しながら言われた

マラソン得意だし
足も速いと信じて
今日まで努力もした
優勝するのは私と思った

悔しい
次のチャンスはまたあるよね
これで決まるわけじゃないし
いつもより練習すればいい
目標はそうモチベーション
涙拭(ぬぐ)ってもう一度
新人の頃を思い出そう
汗を流したその分だけ
どんな願いだって叶うんだ


マラソンを舞台にして、自信もあったし努力もしたのに自分が1位ではないことを告げられ、悔しい思いとともにさらに頑張ろうという物語になってします。ここまでは一般的にある陸上部の物語であり、HKT48メンバーを特定した物語にはなっていませんが、この後の序章となっています。

今まで自分のこと
エースだと思ってた
みんな認めてくれてたよね?
初めて後輩に
私のポジションを
取って代わられたのがショックだった


兒玉遥さんは2011年10月のHKT48の初めてお披露目から1年間、センターとして活動してきており、AKB48の26thシングル「真夏のSounds good !」でHKT48でただ一人選抜メンバー入りするなど、自他ともに認めるHKT48のエースでした。しかし、2012年12月のHKT48初のオリジナル楽曲である「初恋バタフライ」で、後輩である田島芽瑠さんにセンターを取って代わられることになりました。この時の苦悩を兒玉遥さん自身がGoogle+などで打ち明けていました。

夢叶えるために
すべてを捨てて来た
誰よりがむしゃらに
自分の未来へ突き進んでたのに・・・


14歳でHKT48に加入した兒玉遥さんは、中学時代はバスケ部に所属していたり生徒会役員を務めたりするなど充実した中学時代を送っていましたが、HKT48での活動のためにこれらの学生生活を全て捨てて、自分の未来のためにHKT48のセンターとして頑張ってきました。

苦しい
次のチャンスがまた来るまで
愚痴は今日で封印しよう
フラットな意見として
後輩の評価をしよう
センターゼロに立っていた
あの日の私は輝いていた
そして同じように緊張してる
君の可能性を磨いてみようか?


「センターゼロ」というのは、センターの立ち位置のことを指します。歌うときの立ち位置は番号で表され、センターは0番になります。兒玉遥さんは、センターから外れた時の苦悩と気持ちの整理について語っています。

ここで順位落ちたって
ここでポジション外れたって
自分が強くなればいい
挫折は通り道だ
そうネクストタイム

次のチャンスはまたあるよね
これで決まるわけじゃないし
いつもより練習すればいい
目標はそうモチベーション
涙拭(ぬぐ)ってもう一度
新人の頃を思い出そう
汗を流したその分だけ
どんな願いだって叶うんだ


その後、兒玉遥さんはHKT48のセンターには戻っていませんが、AKB48との兼任や第6回選抜総選挙で21位にランクインするなど、目覚ましい活躍を見せています。

(追記 2015.4.27)
兒玉遥さんはHKT48 4thシングル「控えめ I love you!」で悲願の初センターになりました。


AKB48グループの楽曲はシングル表題曲以外にも劇場公演曲やカップリング曲などが数多くあり、「AKB48 リクエストアワー セットリストベスト200 2014」では661曲が対象となりました。AKB48グループの楽曲のほとんどはプロデューサーの秋元康氏が作詞をしています。AKB48グループの楽曲には、メンバーへのメッセージ性が強い楽曲や、物語性の色濃い楽曲が数多くあり、『そこで何を考えるか?』もその中の1つです。『そこで何を考えるか?』は兒玉遥さんの苦悩があまりにもストレートに書かれているため、賛否両論ありました。

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